マリアンヌのたからもの みんなのせなかを そっとおすための「みずがめ」

マリアンヌは、海の上にうかぶおうちに すんでいます。
まだ小さな子どもだったとき、マリアンヌは、海のそこで ふしぎな“みずがめ”を見つけました。
なんとなく中をのぞいてみると、水の中に、いぜんなくしてしまった 大切なアクセサリーのすがたが うつっていたのです。
「へんなみずがめね」
そう思ったマリアンヌでしたが、数日後、本当にそのアクセサリーを見つけて びっくりしました。

それからマリアンヌは、そのみずがめをつかって みらいたうんのみんなの うらないをするようになりました。
「こんどのテスト、うまくいくかな?」
「ぼくのゆめは かなうかな?」
みんなは、自分のみらいを知りたくて つぎつぎにやってきます。
マリアンヌは毎日みずがめをのぞいて、やさしく答えてあげました。
ところが、ある日。たくさんの人の うらないをしつづけていたマリアンヌは、なんだかとてもつかれてしまったのです。

ちょうどそのころ、マリアンヌのみずがめの水もくすんでしまい、よく見えなくなってしまいました。
「あらあら、みずがめさんもわたしも、ちょっとおつかれのようね。」
そうおもったマリアンヌは海へ出て、ぷかぷかとうかびました。
空には大きな雲。ここちのいい なみの音。なにもせず、みらいのことも考えません。ただ、ぼーっと海にうかんでいたのです。
すると、ふしぎなことに、みずがめの水がまたかがやきだし、つかれていたマリアンヌの心も だんだんかるくなっていきました。
「そうだわ、みらいのことばかり考えるんじゃなくて、今この時間をかんじることも、とっても大切なのね」

それからも、みらいたうんのなかまたちは、うらないをしてもらいにきます。
でも、マリアンヌはうらないがおわると、よろこぶ人にも おちこむ人にも こうつたえるようになりました。
「どんなみらいが見えたとしても、そのみらいはまだ きまったものじゃないの。だからこそ、“今のしあわせ”を大切にして、自分でえらんでいくことがだいじよ」
そう言って、にっこりわらいかけます。
「それから、ときどきは立ちどまって、ぼーっとする時間もわすれないでね。今を楽しんでいると、みらいはもっと すてきになるんだから」
マリアンヌのことばをきいたみんなは、うれしそうにうなずいて、えがおで帰っていきます。
「みらいのこと」だけではなく、「今」をだいじにすることも 教えてくれたみずがめは、ずっとずっと大切な、マリアンヌのたからものです。







